CIO にクラウド ネイティブ IT を提言するためのポイント

はじめに

会社の経営幹部たちから「クラウドにいつ移行するのか」と問われ続けることはなくなったものの、リソースをそのまま移行するだけで IT の近代化が叶うとまだ単純に考えているかもしれません。問題は、クラウドへのリソースの移行はクラウド ネイティブ IT 組織に変貌する最初の一歩に過ぎないということです。いくつかのアプリケーションをクラウド型環境に移動するだけではなく、完全な技術、運用、文化の変換が必要になります。

クラウド ネイティブ手法に対して経営幹部から了承を得ることは必要不可欠です。この変換が組織、リソース、運用予算にどのように影響を与えるかをいかに上手く説明できるかどうかに成否はかかっています。こうした対話に備えるには、二段階のプロセスが必要になります。クラウドの利点を売り込むには、まず変更管理に関する幹部レベルの懸念を払しょくする必要があります。

CIO が真っ先に懸念することは、ハードウェアとソフトウェアのことではありません。近年のデジタル経済ではどの企業も技術企業であり、IT はビジネスの中核です。CIO は収益に注視する必要があり、組織や IT 手法に対するあらゆる変更は最終的な損益に影響する可能性があります。この点を踏まえ、クラウド ネイティブへの転換を CIO に提言する際に応える必要がある重要な質問は以下のとおりです。

簡潔に言って、組織にとってクラウド ネイティブへの転換が意味するところは何か?

モノリシック型の作業形態から脱却するには、アプリケーションや IT サービスへの考え方の改めが必要です。もはや、マイクロソフトやオラクルからアプリケーションやデータベースを購入するだけという話ではなくなります。クラウド ネイティブの考え方には、アプリケーションの開発と展開に対する新しい手法が必要です。これにはマイクロサービス アーキテクチャ、コンテナ、DevOps パイプラインが含まれ、旧式の作業方法からの役割の見直しとチームの再編成が伴います。こうした変換は IT だけではなく、事業単位や組織全体にも広範な影響を及ぼします。IT と別の部門との協同がより一層必要となります。結果として、すべてを円滑に進めるために企業は新たな組織構造とプロセスを作り出す必要があります。

上記の点は必然的にリソースに関する次の質問に繋がります。

必要なリソースが確保されているか?

大規模な転換にはリソースの見直しがつきものです。この転換を行うために必要な人材と技術は揃っていますか?クラウド ネイティブ モデルへの移行には、DevOps とアジャイル開発に長けた開発者が必要です。コーディングだけではなく、ソフトウェア アプリケーションのアーキテクチャに対する理解が求められます。結果として、今ある人材を再教育するか、こうした技術を持つ新しい人材を雇用する必要が生じます。

クラウド ネイティブ化に向けて適切な技術とツールを用意することも重要です。クラウド ネイティブ アプリを開発するためのツールの多くは、オープン ソース技術として利用可能であり、市場の拡大に伴って新たなソリューションも登場しています。こうした技術とオープン ソース市場に関する知識を備えた開発者を雇用することで、開発を容易に進めることができます。

予算への影響は?

このような大きな転換を行うときは常に費用が伴います。ただし従来と比べて違う点は、資本コストが微々たる割合であることです。このモデル転換では、資本経費を徹底的に減らし、より予測可能な運用経費に資本を充てることができます。クラウド ネイティブへの移行は、データ センターを管理するための設備やソフトウェアに巨大な投資を行わなくて済むことを意味します。長期にわたって未使用状態に置かれる可能性のあるサーバーを維持する代わりに、必要なときに必要な処理を行う分にのみ支払うことになります。また、特定の機能をサービスとして購入して必要に応じて規模を拡大縮小でき、自社のアーキテクチャに組み込む費用を省くことができます。これにより、予測可能な市場の変動に従って、より効率的にリソースの割り当てを行えます。

長期的な利点は?

予算に関する議論は、クラウド ネイティブ手法の長期的な利点に関する議論へと繋がっていきます。資本コストから予測可能な運用コストへの変換は、それ自体が注目に値する利点です。それ以外にも以下のような 4 つの利点があります。

# 01

柔軟性/拡張性

クラウド ベンダーからサービスを購入することで、変更を行ったり、機能を追加したり、必要に応じてサービスの規模を拡大縮小することが容易になります。たとえば、小売業者がバッチ処理をサービスとして購入し、商戦期間中に規模を拡大して需要が落ち着いたら元に戻すといったことを簡単に行えます。

# 02

マネージド サービスによる技術の最新性の確保

クラウドへの移行に関する主な利点は、次々に登場する新技術を 1 つずつ評価する必要がないという点です。この作業はクラウド ベンダーの仕事です。この点は、アマゾン ウェブ サービスや Microsoft Azure といったベンダーが自社のマネージド クラウド サービスの一環として売り込むポイントの 1 つです。

たとえば、データ センター内でより高速なイーサネットが利用可能になると、作業速度が上がるなどして自動的にその恩恵を受けていることが実感できます。クラウドのマネージド サービス プロバイダー (MSP) は効率的にインフラを管理しつつ、最新技術を最大限活用することで各企業の事業成長目標の達成を支援します。

# 03

実行速度

今日の市場の変化は目まぐるしく、事業に対する競争圧力は高まる一方です。クラウド ネイティブ アプリケーションは単一のモノリシック アプリケーションよりもコンテナやマイクロサービスに依存します。クラウド ネイティブ手法を採用することで開発サイクルが短くなり、細かい単位で継続的な改善を行うことが可能になります。また、モノリシック アプリケーションの最新リリースを待たずして新機能を公開でき、顧客の要望にすばやく応えることも可能になります。

# 04

顧客メリットに近い部分への IT リソースの配置転換

クラウドにすべてを移行することで、インフラの維持にリソースの大部分をつぎ込む必要がなくなります。逆にリソースが解放されるため、顧客対応の改善と事業成長につながるプロジェクトの開発に注力することができます。

おわりに

クラウドへの移行を行った企業は、既にデジタル化の恩恵を感じ始めています。さらに一歩進めてクラウド ネイティブ化を果たすことで、IT マネージャーは真の事業価値を生み出すプロジェクトにリソースを充てることができます。この転換はすぐに起こるものではなく、数か月でも足りるものではありません。 その途上で発生する困難や障害を乗り越えようとする気概と取り組みが長期にわたって必要になります。経営陣はこの取り組みを支持し、資金提供し、会社全体がこの転換を受け入れられるよう準備する必要があります。難しい話し合いになるかもしれませんが、CIO への提言はクラウド ネイティブ運用への道のりの一歩です。

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